REPORT 2018.04.07 #culturestyle

踊り子りおんのレポート(1)映画「パリが愛した写真家/ロベール・ドアノー<永遠の3秒>」

永遠の一瞬を捉えた写真家を浮かび上がらせる。

 こんにちは、りおんです。

 今回初レポートの、映画「パリが愛した写真家/ロベール・ドアノー<永遠の3秒>」を観てきました。この映画は、フランスを代表する写真家ロベール・ドアノーさんの姿を浮かび上がらせるドキュメンタリー。

 

 私がこの映画に興味を持ったのは、チラシに使われていた1枚の写真に心惹かれたからです。それこそがまさに、ドアノーさんの代表作と言われる「パリ市庁舎前のキス」。すごく素敵なんですよね。こんな一瞬撮れるんだ!っていう。色んなストーリーが見えてくる気がするし、なんだかその時の気温やぬくもりまで感じられそうに思えてくる。

 

 しかも、なんていうの、オシャレなのよね。こんなシーンが日常の中で撮れちゃうパリ!これぞ花の都!って感じ。日本だとこうは決まらないよね~なんて思ってみたり。とまぁ、ドアノーさんのことなど何も知らなかった私に映画を見させてしまうくらい魅力的な写真だったわけですが、実はこれ、演出して撮られたものだったと作中で語られていてびっくり!カップルこそリアルなカップルを起用してはいるものの、彼らは2人とも役者。その上、当時のパリでは街角でカップルがキスをするなんてあまりなかったというから、これまた驚き。(外国では昔から日常茶飯事だと思ってた!)

 

 なんだ、演出だったのか~・・・とは思わなかったですね。不思議と。なんか、写真に写っているのは「本質」のような気がして。それを写真に写し出したいから、フレームの中を構成したり、全体のバランスを取ったりして、すべてが調和する一瞬を収める。そのために、演出って必要なんだろうなと。本質が本質としてそのまま表れているから、リアルだろうと演出だろうとすごく自然だし、そこはあまり関係ないのかもしれないなと思いました。だからね、ドアノーさんすごく待ったらしいですよ。リアルだろうと演出だろうと、「その一瞬」が訪れるのを。

 

 かつて写真のモデルとなったドアノーさんのご家族が語った「この写真を撮るために何時間もパスタを食べ続けたのよ」「これは海から何度も走らされたわ」という話も、それを物語っているなと思います。これだけ書くと、なんかこだわりが強くて扱いにくい人って感じがするけど、ご本人はどうもそういうタイプではなかったように感じられました。そう、親交のあった人の話を聞いていると、なんだかあったかい感じの印象。包み込んでくれるような感じとでも言いましょうか。

 

 そしてちょっと思ったのが、ドアノーさんって“その土地”を愛していたんじゃないかなということ。“その土地”というのは、パリかもしれないし、郊外の街かもしれないし、小さな路地かもしれない。その地を愛し、その地で暮らす人々を愛しているから、彼の写真にはストーリーを感じるんじゃないかな~なんて。

 

 個人的にはもう少し切り口を絞って、1つを深く掘り下げる方が好みだけれど、ご本人が他界されているからそれは難しかっただろうなと思いました。むしろ、変に憶測を入れるよりも良かったんだと思う。ドアノーさん自身が語る言葉は、今となっては貴重なもの。1つ道を突き詰めた人の言葉は、ちょっと難解だけどすごく深い。映画の最後に映し出される写真たちを見て、これからもずっと生き続けていくんだろうなと思いました。

MANUMAUGAIN

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